ふゆの与太話

取り留めのない日々の事や好きな作品についてお話を

へし切長谷部軽装妄想(腐 / はせくり・くりへし・燭へし・にほへし・へし宗)

やっぱり、あのポーズ婚姻届出すポーズじゃない??

私は審神者に関しては同担大歓迎だけど、長谷部ガチ恋勢だから、刀剣男士に取られたくない、という気持ちもあるねん……。

十歩ぐらい譲って長谷部が攻ならいい……。

でも受は……!!!!!!!!!

長谷部をメスにするのは私がいい……!!!!!!!!!!!!!!

にほへしも燭へしも読んだりするけど、すぐにメスになるから、いつもはせくりばかり見てしまう。

 

へし宗は宗三が美しすぎて敵うものが何もないから諦めるしかない……。

ついでに言わせてもらうと、私ははせくりみつくりが本命CPです!!!!!!!!

最初にハマったのはくりみつなんだけどな……いつの間にかみつくりの薄い本がどんどんどんどん、どんどんどんどん増えていったね……。

長谷部のCPは一緒くたになっていれば他のCPも見ますが、長谷部ガチ恋勢なので、はせくり以外は基本的に読まないという……。

伽羅ちゃんが愛されていれば(はせ+みつ)×くりでもいいです。

好きなキャラが多くの人に愛されていたいので、伽羅ちゃんがハブられることも、あぶれることもなく愛されてれば基本的になんでもOKです。

乱くりとかも好き。

あ、この下は視点は長谷部だったり、相手だったり、どっちでもあったりします。

地雷があったらごめんなさい……。

 

 

はせくり

「お前も着たか」

 聞こえた声に、大倶利伽羅は入り口に視線を向ける。そこには、彼に相応しい紫を基調とした美しい着物を身に纏うへし切長谷部が立っていた。

「龍鱗のようで美しいな。お前によく似合う」

 障子を閉め、中へと入って来た長谷部に、大倶利伽羅はふんと鼻を小さく鳴らすと、目の前の姿見に向き直る。

 “美しいのも、よく似合うのも、あんたの方だ”

 そう素直に伝えられたらどれだけいいだろうか。

 真後ろにやって来た長谷部は、左腕を取ると袖に隠れた倶利伽羅龍の尾を出す。

「少し大きそうだな」

 耳元で囁かれる声に、ぞくりと粟立つ。低くも高くもない、凛と立つ彼に相応しい澄んだ声に知らず知らずのうちに熱のこもった息が漏れた。

 鏡越しに合った薄い青紫の瞳が細められる。

「髪は結わないのか?」

 わざとらしく口を寄せ、今度は右の首筋にかかる赤みがかった髪の毛にそっと触れた。

「っいい加減にしろ」

 長谷部から距離を取ろうと体に力を入れるものの、左腕を掴む力の強さに、長谷部から逃れる事は出来ない。

 長谷部はすかさず大倶利伽羅の腰を掴むと、薄く開くその口を自身のそれで塞いだ。

 向き合った瞬間、彼からほのかに甘い香りが漂った。口内をまさぐる舌と脳内に響く水音と合わせ、正常な思考が奪われていく。

 しばらくして顔を離した長谷部は、自身の唇を舐めると、ふっと目を細める。

「もう逃げないのか?」

「っ……」

 勢いよく顔を逸らしたものの、掴む腕を振り払うことも、腰の手を払うこともしなかった。

 拒まれないことをわかっていたかのように、長谷部は喉の奥で笑うと、わずかに滲む目尻に口付ける。

「せっかく着たのをすぐ脱がすのはもったいない。それに、あまり行くのが遅くなると伊達連中が乗り込んできそうだ」

 愉しそうにそう漏らした長谷部は「だから」と声のトーンを落とすと、耳元に顔を寄せた。

「お前を暴くのは夜の楽しみとしよう」

 恨めしそうに見れば、彼はその淡い瞳をより悪戯に細めるだけだった。

 

 

 

くりへし

「あんた、そんなに着込んで暑くないのか」

「着込むというほど着ていないさ」

 振り返ったへし切長谷部は、壁に寄り掛かり自分を見ている大倶利伽羅へ視線を向ける。

「流石伊達男と言ったところだな?」

「揶揄うな」

 大倶利伽羅は短く息を吐くと、衿を伸ばす長谷部に近付き、袖や裾を軽く引いて伸ばす。ふと視界に入った、綺麗に結ばれた羽織紐に、微かに口元を緩めた。

「あんたは存外器用だな」

「そうか?」

「ああ」

 ふっと笑みを漏らせば、長谷部は珍しいものでも見たかのように「へぇ」と小さく呟いた。

「ずいぶん機嫌がいいな。いいことでもあったのか」

「ああ。まあな」

 衿を整え軽く肩を叩いた大倶利伽羅の顔を長谷部が覗き込む。

 普段は見上げるばかりの長谷部から見上げられ、大倶利伽羅は反射的に薄い唇に口付けていた。

 触れるだけの口付けを落とし、すぐに離れれば、驚いたように彼の目が見開かれていた。少しの間、近距離で見つめ合っていると、長谷部がおかしそうに肩を震わせ始める。

「お前の琴線が未だに分からんな」

「あんたは知らなくてもいいことだ」

 サラリと手触りのいい長谷部の髪を梳き、両手で顔を包み込む。

「あんたを外に出すのはもったいないな」

「夜、存分に堪能すればいいだろう」

 同じように頬に手を添えてきた長谷部に、大倶利伽羅は目を細める。

「……龍には逆鱗があるんだ。取り扱いには気を付けろ」

「覚悟の上だが?」

 挑発するような長谷部の視線に、大倶利伽羅は大きく息を吐き出す。長谷部が大人しく瞼を下ろしたのを見ると、大倶利伽羅は愉しそうに弧を描く長谷部の唇に自分の唇を重ねた。

 

 

燭へし

「もうみんな集まってるよ。長谷部くん」

「ああ、もう行く」

 へし切長谷部は羽織を肩にかけると、着物の袂を羽織の袂に入れ、形を馴染ませる。羽織と着物の袖口を掴み軽く伸ばすと、外側に折れた衿を戻し、羽織紐を結んでいく。

 薄明かりに照らされた室内で、背後に近付く燭台切光忠は、これから訪れるであろう闇を体現しているかのようだった。

「色素の薄い長谷部くんによく似合う、いい藤色だね」

「そういうお前は相変わらず黒がちだな」

 「かっこいいだろう?」

「夜に外で会ったら不審者として通報されそうだ」

「そんな不審じゃないだろう!?」

 自分の姿を改めて見直す光忠に、長谷部は小さく笑い声を漏らすと光忠の方を向く。

 彼が長い間いた伊達家の定紋に因んだ竹の模様が彼によく似合っている。

「前から思っていたんだが、同じ黒の手袋でもいくつか種類を持ってるんだな」

 普段の手袋には見られない、戦闘服である燕尾の裏地にあるような赤い布地がついた手袋へ視線を落とすと、光忠は当然だと言わんばかりに口角を上げた。

「伊達男足るもの当然だよね」

 普段の戦いに見目の装飾は不要だとは思うが、見目のいいものが自分を着飾る姿を見るのは悪くない。

「見惚れてくれたかな?」

 日も落ち始め、だんだん薄暗くなる室内で蝋燭のように燃えるその瞳だけが、煌々と輝きを放っている。

「お前の容姿はいつだって見惚れるに値するほど整っていると思っているが?」

 平然とそう返せば、光忠は意表を突かれたように目を見開いたあと、おかしそうに笑い声を漏らした。

「本当、長谷部くんには敵わないなぁ」

 口元に軽く手を当て笑った光忠は、長谷部に近付くとその手を取る。

「それじゃあ、行こうか」

「ああ」

 ふっと口元を緩め頷くと、強く手を引かれる。突然のことに雪崩れ込むように光忠の胸に飛び込むと、すかさず目元に口付けられた。

「……せっかく着たのに着崩れたらどうするつもりだ」

「はは、ごめんごめん。長谷部くんが綺麗だったから、つい、ね」

 普段の優しげな笑みを消し、ただの男のように目の奥をギラつかせる光忠に、長谷部は身が疼くのを感じながら、唇に触れる熱に応えた。

 

 

にほへし

「おう、花見させてくれや」

 酒が入っているであろう瓢箪を手に部屋にやってきた日本号に、へし切長谷部は若干渋い顔をする。

「……もう酔っているのか。ここは俺の自室だが?」

「まだ一滴も飲んでねぇよ」

 日本号は瓢箪と杯を置くと、長谷部を見ながらその場に寝転がる。

 普段とは違う和装で姿でありながら、それを気に留めてもいないのか、片膝を立てて横になる日本号に、長谷部は深く息を吐き出す。

「せっかく見られるような姿になったんだから、きちんと座ったらどうだ。というか、何故俺の部屋に花見をしに来たんだ。花どころか草もないぞ」

「いちいちうるせぇな、お前は。花なら目の前にあるだろうが」

 日本号の言葉に、長谷部は眉を寄せながら、自分の後ろや左右、少し迷った末、上まで見上げて確認する。

「はっ。お前、たまーにばかになるよなぁ」

「……圧し切られたいのか?」

「おーおー、藤の花には毒があると言うが、この花は棘もついてるのか?」

「なにを……」

 言いかけて、長谷部は言葉を飲み込む。

 目の前の男が言う「花」の意味がわかり、指の先から熱が込み上げてくる。

「ほう、紅葉までするのか」

「……黙れ……!」

「へっ」

 長谷部は手で顔を覆うと、気持ちを落ち着かせるように呼吸を繰り返す。

 視界の端で黒い物体が動いたのを確認し、ちらりと横目で見ると、胡座をかいた日本号が自分の膝を叩いた。

「ん?」

 誘うような視線に、きつく口を閉じると、這いながらのそのそと移動する。目の前まで来ると、待ってましたとばかりに日本号に腕をひかれ、膝の上に座らせられた。

「部屋なんだから羽織は脱いじまえ。寒いなら俺のを着ろよ」

 脇腹から撫でるように胸元まで上がってきた手は、花のように結ばれた羽織紐をいともたやすく解いていく。

「……お前のを羽織るなら、このまま自分のを身に付けていたほうがいいだろう」

「わかってねぇなぁ。完全な花にすんなら、俺の羽織は邪魔だろ?」

 長谷部はわずかに後ろを振り返り、日本号の着ている着物を見る。まるで藤の花が降っているような模様に軽く触れると、体を日本号に預ける。

「一緒に花見といこうぜ。長谷部」

 首筋を這うごつごつとした指先に身を震わせながら、そっと目を閉じた。

 

 

へし宗

「なんの捻りもない着物ですねぇ」

「上品と言え」

 淡い色合いの鮮やかな着物に身を包む宗三へ視線を向けると、長谷部は短く息を吐く。

「俺はむしろ、お前がそんな派手な着物を着るとは思わなかった」

「そうですか? 普段のものとそう変わりませんよ」

「桃色だけだったらな」

 宗三は考えるように口元に手を当てると、呆れたような溜息を漏らす。

「へし切、貴方、僕のことばかり見て忘れているのでは? 兄様もお小夜も、僕以外の左文字は青を基調としていることを」

「…………そうだったな」

 少し間を開けたものの、素直に頷いた長谷部に、宗三は意外そうに瞬きをする。

「貴方のことだから否定するかと思ったら……もしかして具合でも悪いんですか?」

「否定するのが面倒だっただけだ。あながち間違いでもないしな」

「ますます珍しい」

 宗三は驚いたように声のトーンを上げると、着替えのために広げた籠をしまう長谷部に近付き、その額に手を当てる。

「ふむ、熱はないようですね……」

「刀が風邪を引くか」

「わかりませんよ、今は人の身ですし。ああ、でも、主の時代の言葉で、なんとかは風邪を引かないとか……」

「それは俺がばかだと言いたいのか」

「おや、自覚があるようで何より」

 愉快そうに笑う宗三に、長谷部は籠の蓋を閉じると、揶揄いに目を細める宗三を見る。

「なら知っているか、風邪を他人に移す術があるそうだぞ」

 宗三がこれ以上何か言う前に、長谷部は薄い宗三の口にキスをした。至近距離で見開かれる目を見つめていたものの、空を切る音に素早く顔を退かす。空気を叩いた手を掴むと、もう一度宗三に口付けた。

 わずかな抵抗の末、大人しくなった宗三に、長谷部は顔を離す。

「顔が赤いな。お前のほうが風邪なんじゃないか?」

「……僕たちは刀ですよ」

「今は人の身、だろう?」

「……せっかく着終わったのに、着直すことになりますよ」

「どうせ今日は出陣も遠征もない。たまにはいいだろ」

 それに返ってくる言葉はなかったものの、首に回された腕に、長谷部は不適に微笑んだ。